陶の素 

鳩形象形土器 
鳩形象形土器 

 想像の鳩

どのような人が何のために作ったのか?その本を読めば判るのだけれど、判らないまま自分で勝手に想像するのが面白い。僕なりに解釈すれば今から3000年前のペルシャの器用なおっさんが畑作業の休憩時間に水で捏ねた土を鳩や牛や亀、羊、魚などを作っていたら、作業している若い娘から「Cool!、Nice!Good Job! I love you!」などと褒めそやされるものだから、調子こいていっぱい夢中で作ってしまった。これは王家の墓から出土した逸品でなく、庶民の無縁墓から出土したものです。僕の先祖はペルシャ人だったのです。

ペルシャタイル 生命の樹
ペルシャタイル 生命の樹

  生命の木  

木の持つ生命力に畏敬の念を抱いたのは洋の東西を問いません。陶器、タイル、絨毯、 壁掛け、御旗、祭器、盾、刀など色々なものに描かれています。僕もこのモチーフが好きです。樹の下にいるのは鳥、牛、人、犬、羊、馬、牛等います。 身近な人の記念プレートを贈るとき「鳥」か「生命の樹」を描いて送ることにしています。 還暦 喜寿 傘寿 米寿 卒寿 白寿の人にプレートを貰った時の嬉しそうな顔を思い浮かべながら作陶に励みます

 

西表島の贈り物

 西表島の原生林の中で見つけた朽ちた樹です。原生林の奥深くカヌーを漕いでたどり着いた滝の淵にありました。自然の作った美と言うのは何よりもまして美しいと思います。「美」の創造と言う意図がありません。純粋なのです。原生林は樹を折ったり草を抜いたり虫を捕まえたり、人工のものを残したり、自然のものを持ち帰ってはしてはいけませんが、この樹は持ち帰ることを許されました。作陶イメージの指針です。

TOFT OWL 

よくもこんなスリップの化粧が出来たものだ。色と形とが素晴らしい。鉛の低火度の釉薬が使えた(今は鉛の釉薬は安全上の問題から使えない)からこの色が出たと言うようなものではない。この模様は2種類のスリップを掛けた後に鳥の羽のようなもので模様を作ったのではないかと思いますが、「そんなに簡単なものじゃないよ」と作者のトフトは言っているんでしょうね。でも技法を謎解き推測するのも面白いですよ。

アグカンド土器」模写鉢
アグカンド土器」模写鉢

 気に入りの器(陶芸教室時代)

 

化粧土を掛けた後に線刻 素焼きして織部釉 飴釉で装飾した。習いたての技術を使ったら出来た。初めての大鉢は教室の皆が出来上がりに驚いていた。新人の作品としては鼻高々だったけどこれも意匠はイスラム陶器のパクリでした。県美展に見事落選。トホホ

バーナード・リーチ

 

 バーナード・リーチが日田の小鹿田焼の村に逗留して作陶した水差しです。なぜ、僕があたかも普段使いの器のように手にしていたかと言うとその価値がどれ程の物か知らなかったからでした。持ち主も気軽に何日も貸してくれました。今ではそんな大胆なことは出来ません。細部にわたり写真を撮っていて良かったと思います。僕がイギリスの陶器に憧れる基となった作品です。

中川伊作 炎と珊瑚の色
中川伊作 炎と珊瑚の色

琉球知花窯 南蛮徳利

沖縄の民芸店「キーストン」のショーケースに飾ってありました。値段は付いていませんでした。高そうだったので気になったもののその日はホテルに戻りましたがどうにも頭から離れない。帰りの飛行機の出発間際になり、「このチャンスを逃したら2度と会うことはない」と思い再びキーストンに戻り値段交渉し自宅に連れて帰りました。家にある焼きのもの中で一番のお気に入りです。「うーん、最高!」